褥瘡(床ずれ)予防の方法~脳卒中リハビリの観点から~

寝たきり

こんにちは。
作業療法士のブログ、ふじいろブログです。

寝たきりの方を介護するご家族や看護師さん、介護士さんは、褥瘡(床ずれ)を見つけた時に心を痛めていると思います。

同じ姿勢でずっといると、床ずれができる

というのは、皆さんご存知だと思います。

しかし、時間でしっかり向きを変えているのにも関わらず、身体の右側にも左側にも段々と、床ずれが出来てしまう事があるのではないかと思います。

また寝たきりの方は、その姿勢が楽に感じる為か、体位交換の後も、自力でいつも同じ方向に向き直ってしまっている事も多いのではないでしょうか。

今回紹介するのは、「脳卒中リハビリの観点」を踏まえた褥瘡予防の方法です。

なかなか難しい褥瘡予防。
寝たきりの方の痛みと、介護される方の苦悩を軽減する、その一助にして頂ければ嬉しいです。

最後の方で介護方法やポジショニングををまとめています。
是非ご一読ください。

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褥瘡は「一点を押す力」によって作られる

褥瘡(床ずれ)はただ「体重が乗る」というだけで、起こるものではありません。
褥瘡の起こる部位には、必ず無意識的に床に押し付けるような力が働いています。

屈曲している姿勢 赤丸褥瘡部位

上の図は全身的に拘縮(関節が固まってしまう現象)があり、屈曲した姿勢でベッド上で寝ている患者様の模式図です。

赤丸は褥瘡のできてしまった所、もしくは褥瘡が出来そうなところです。

背中のやや左側

・右肘

・右の大転子部
(股関節の外側の骨が膨らんだ部分)

左膝の外側

・両踵周囲

赤丸は上のCHECKの5か所にあり、褥瘡やダメージを受けています。

右を向いて寝ている時には、彼の右肘右股関節の外側で体重を受けているのでしょう。

左を向いている時には、彼の左の背中左膝の外側で体重を受けて、それが積み重なることで段々と褥瘡となっていくのでしょう。

彼の両方の踵は常に床を押しており、特にベッドのギャッジアップ時に強く押してしまう様です。

褥瘡(床ずれ)の原因

褥瘡の原因は、「体重が重いこと」や「骨が出っ張っている」という事ではありません。

原因は、「褥瘡部位(床ずれ)に向かって力が入ること」です。

つまり脳や神経が働いた結果、起こってしまうのです。

患者さん本人も気づかないうちに、無意識・無自覚に褥瘡部位(床ずれ)を押し付けてしまいます。

脳梗塞などが今までない人でも、体に力が入っちゃうものなの?

皆さんそう思うと思います。

身体がベッド上で丸くなるなどの力が入ってしまう現象は、多くの場合、昔に脳の疾患を発症したことがある人に起こります。

しかし脳の疾患を発症したことがない人でも、寝たきりでいると「神経廃用」を起こし、ベッド上で全身が丸まっていってしまう可能性があります。

神経のいき届かなくなった筋肉は、自分の身体をコントロールするのにそぐわない方向に力んで硬くなり、萎縮・短縮しまう事があります。

ちょっとした刺激で身体を丸めてしまう

今回の模式図の患者さんは屈曲姿勢ですが、体位交換(身体の向きを変える)オムツを変えるという刺激だけでも身体が丸くなります。

特に体位変換は、背中ベッドに押し付けている部分を急に持ち上げようものなら、身体を支えとして頼っていた所が無くなるため、患者さんは激しく丸まってしまいます。

身体が丸まってしまう現象は、ちょっとした刺激にも影響されて起こってしまいます。

敏感な方では、廊下で物音がしただけでも力が入り丸くなります。

大きい男性スタッフが近づいてきただけでも力んで丸くなってしまいます。

リハビリ場面では緊張緩和が重要

リハビリ場面では、ベッドに強く接している背中の接地面を広げていく様に、体幹のリラクゼーションを行っていきます。

リラクゼーションの中では、患者さんのベッドに押し付けている背中を、持ち上げ床から離す様な事はしません。

そんなことをもし私がすれば、患者さんは力みを強めて、さらに丸まってしまいます。

ベッドに向かって、背中で「点」で押している状態から「面」で接地していくように変えていくイメージで、両手で患者さんの身体を優しく触っていきます。

身体のベッドへの接地面を広げていきます。

リハビリ士の手のひらは、力を抜いて柔らかさを保ちます。

硬く緊張した手で触ると、患者さんに緊張が伝わてしまいます。
また硬い手では患者さんの身体が緩んできた事が分かりにくくなってしまいます。

柔和な表情で、優しく声掛けを行う事も大事です。
患者さんがリラックスしてくれます。

そのまま、少しずつ両手を動かして体幹に触り、ベッドに接している背中の接地面を広げていくと、丸まっていた全身も力が抜けて緩んで伸びていき、両肘や膝も伸びていきます。

リハビリの後では、ベッドに押し付けていた部分(背中や肘、踵など)も、押し付けが軽減します。

リハビリ場面では、いかに全身の力みを緩和して楽に寝ている状態を作るかが、褥瘡予防にとって重要なのです。

介護方法・ポジショニング

最後に褥瘡(床ずれ)予防に向けた介護方法・ポジショニングについてお伝えします。

屈曲姿勢の方に限らず、伸展姿勢で後頭部などに褥瘡(床ずれ)ができてしまう場合の介護にも用いれると思います。

1.柔和な表情で近づき、足元から優しく声掛けを行う

心理的な緊張は、全身の筋肉を緊張させます。

柔和な表情と優しい声掛けをしながら近づくと、寝たきりの方の安心感につながります。

2.柔らかく、優しい手で触る。

「無理なことはしない、痛いことはしない」と手で伝える様に、患者さんに触っていきます。

時にはゆっくり触ったり、力を込め過ぎない事も大切です。

3.身体の向きを変える時はゆっくり行う

身体の支えとして頼っている、背中の押し付けている部分を急に持ち上げると、基本的に患者様の全身の緊張は高まります。

緊張を高めないように、ゆっくりと身体の向きを変えられたら素晴らしいと思います。

4.ポジショニング

褥瘡(床ずれ)のある方は、身体の緊張が長い期間影響して、全身変形・拘縮を伴っている事が多いです。

なるべく今まで紹介した内容で緊張緩和を図りつつ、クッションやタオル等を用いて身体とベッド間の隙間をうめて、接地面を広くすると良いでしょう。

またマットレス・敷き布団を選ぶことも非常に重要です。

褥瘡予防には、基本的に柔らかい素材で、圧力の分散の性能が高いマットレス・敷き布団が好ましいでしょう。

ギャッジアップの姿勢

電動ベッドで頭を起こす、ギャッジアップしている姿勢では、全身の緊張を高めないことが難しいと思います。

褥瘡のある方はベッド上で左右のどちらかを向いて寝ていることが多いと思いますが、横向きの姿勢でベッドのギャッジアップを行うと、斜面に横向きに寝る状態となり、不安定な姿勢から緊張は高まります。

横向きでギャッジアップする際は、私は図のようにベッドに対して体を斜めにして、背中のクッションに身体をあずける余地を増やした方が、患者さんの緊張緩和した姿勢につながると考えます。

布団の上の穏やかな雰囲気

全身が力んで痛みが出やすい状態と、力が抜けて楽な状態では、同じベッド上寝たきりでも、QOL(生活の質)は大きく違うと言えます。

私は、介護に携わる方々の情熱や思いやりがある様子を病院で日々見てきています。

本当にリスペクトを感じ、頭が下がる思いです。

皆さんの思いやりのある優しい関わりが、患者さんの緩んだ身体と、安らぎのある日常につながるのかもしれません。

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