こんにちは。
作業療法士のブログ、ふじいろブログです。
前回、片麻痺の人の身体の法則性を説いた「定型(fixed)パターン」についてご紹介致しました。
今回はその続編です。
前編をまだお読みでない方はコチラ↓↓↓
前回、安定側・固定側・麻痺側の姿勢は捻れているとお伝えしましたが、今回は具体的に姿勢がどう捻れているのかをお伝えしていきます。
これを知ることで、片麻痺症状で悩んでいらっしゃる方は、自主トレの結果が身体に良かったのかどうか判断する事に役立てていただけると思います。
またセラピストの方は、治療の結果が片麻痺症状の改善に良かったのかどうか、効果判定する時の一助にして頂けると思います。
もしDr.(医師)の方で御覧頂けている人がいれば、極めて軽度の運動麻痺のある患者さんでも、視診所見でどちらが麻痺側であるか、予測することに役立てて頂けるかもしれません。
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体幹の観察
写真の被写体は僕自身ですが、普段は右半身が固定側である事が多いです。
しかし今回の撮影時は、固定側がいつもと反対の左側になっており、困惑しながら撮影・記事編集しました。
典型例として紹介するには、少し分かりにくい被写体かもしれませんが、健常人では固定側が入れ代わりやすい事の表れと受け取って頂けたらありがたいです。
今回紹介する姿勢は、アクティブ側が右側で、固定側が左側です。
バンザイ
まずバンザイの姿勢ですが、写真では右の体幹に比べて左の体幹の方が短いのが見てとれます。
人間の身体には左右の役割分担があり、力の入り方に左右差があり、姿勢の捻れが生まれます。
体幹では、固定側の左の脇の下~骨盤の横の骨(腸骨陵)の間が短くなります。(青い線)
固定側の最も正確な指標の一つとして、肋骨の一番下の線~骨盤の横の骨(腸骨稜)までの長さが短い方が固定側になります。これは触診すると分かりやすいです。(赤い線)
また写真には切れて入っていませんが、バンザイの姿勢においては手の上がり具合についてアクティブ側に比べ固定側の方が低くなっています。
他にも色々な指標が沢山ありますが、今回は省略します。
背中
続いて背中から姿勢を見ていきましょう。
やはり固定側は左です。
固定側の指標としましては、右に比べて左の肩甲骨が背骨から離れています(肩甲骨の外転)。
背中の真ん中が背骨の線です。
その左右に肩甲骨の内側のライン(内側縁)が薄っすらと見えると思います。
少し左側のラインが外側にありますね。
また左の背中が少し後ろに張り出て、丸みをおびています(体幹の左回旋)。
その影響もあってか、写真では切れて入っていませんが、お尻も左側の方が少し後ろに引けています。
また首についてですが、アクティブ側の首のラインはまっすぐですが、左側は肩甲骨が外側にある分、山なりに見えます。
首が回る範囲としては、後ろを振り向くと固定側の方が固く、後ろを振り向きづらいです。
手の観察
手を見ると、固定側の方が指の間が開きにくいと言えます。
写真では、左右の手で親指~小指までの横幅が違います。
また人によっては固定側の指が曲がってしまったり、肘が曲がってしまう場合も多いです。
足の観察
足は左のお尻の方が少し後方に引け、膝が延びきって、膝裏が後ろに張り出ています(バックニー)。
前から見ると、左足の姿勢全体として捻れています。
大腿から膝の部分はやや外側を向いているにも関わらず、膝下の脛(スネ)は内側に向いている為、捻れて見えるのです。
足部の状態としては、被写体は足の横幅がキュッと狭くなって見えます。
また土踏まずが沈んで足の裏のアーチが少なくなっています。
固定側の足は、アクティブ側から体重が送り込まれており、重心も寄って来る中で身体を支えなくてはならないので、足底では外側に向かって踏ん張りやすいです。
難しい言い方をすると、床反力は外側から内側に向かって返っています。(緑の矢印)
そのため足が外側に向きやすく、小指側で床を強く押している事が多いです。
麻側は固定側である
固定側の特徴をまとめると、
・体幹の長さが短い
・肩甲骨が背骨から離れている
・体幹が固定側に回旋する
・首が回りにくい
・手のひらが開きにくい
・肘が曲がる
・お尻が引けやすい
・足の姿勢が捻れる
・足裏で外側に向かって踏ん張る
などかあります。
固定側の手は、例えば両手をバンザイをすればアクティブ側に比べて上がりにくく、足を上げれば(寝ながらでも、立ちながらでも)アクティブ側よりも上がり方が低いです。
固定側は動く範囲が狭く、アクティブ側と比べて強ばり捻じれた姿勢となります。
そして前回の記事でもお伝えしましたが、脳卒中片麻痺の人の麻痺側は、固定側の状態と一致します。
一般的な運動麻痺症状(肘が強張って曲がってしまう、足が突っ張って硬くなる等)に、更にこの固定側の姿勢の特徴が合わさってしまった時、どんどん姿勢が捻じれて硬くなっていく事は想像に難しくない事だと思います。
逆に固定側の症状を緩和することができれば、身体の硬さが緩み、麻痺した手足も自由に動く余地が増えていくのです。
セラピストや片麻痺の方は、治療・自主トレの前後に上記のポイントをチェックしてみましょう。
固定側の特徴が緩和していて、姿勢が左右対称に近づいていれば、治療・自主トレの効果が片麻痺症状に効果を表していると言えます。
今回は被写体が健常人で紹介していきましたが、セラピスト同士では、勉強会などで治療の練習をする時、今回紹介した固定側を麻痺側に見立ててお互いの身体を触りあい、治療練習する事があります。
今後、具体的な治療・自主トレの内容についても、発信の中で徐々にお伝えしていきたいと思います。
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