コア・トレーニングの重要性【リハビリの視点から】

体幹

こんにちは。
作業療法士のブログ、ふじいろブログです。

日本では古くから下腹部の事を『丹田(たんでん)』と呼び、武術・舞踊において、また医学・健康の領域で丹田は非常に重要視されてきました。

私はリハビリに携わってきた中で、この重要性に気づいた昔の人々を誇るべきだと思うようになりました。

まさに先人の知恵です。

丹田のイメージ


スポーツの分野の観点からコア・トレーニングの重要性が言われていますが、勿論リハビリテーションにおいても運動療法を考える上で非常に重要です。

今回はコア・トレーニングについて、リハビリの視点から重要性をお伝えできればと思います。

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お腹の力は全身に影響する

まず、お腹の力の重要性を体感してみましょう。
『丹田(たんでん)』は「おへその下」あたりですので、そこを意識して行っていきます。

立ってやってみましょう

立った状態で、おへその下を中心としたお腹の力を抜きます。

すると自然と股関節や膝関節も力が抜けて曲がってしまいます。


さらにこのまま両手を上げてみましょう


両手は十分に上がらないでしょう。

このように、お腹の力は手足の力の入り方に大きく影響します。

コアとは「腹圧」である

そもそもコア・トレーニングの「コア」ってなんだと思う方が多いのではないかと思います。

最も一般的に分かりやすい言葉で言えば、「腹圧」という言葉になるのではないでしょうか。

解剖学的には、お腹の内臓をおおっている深部筋(インナーマッスル)の横隔膜、多裂筋、腹横筋、骨盤底筋群の4つが、腹圧を構成する中心的な筋群と言われています。

コアの筋群

これらの筋が内臓を周りからまとめる様に収縮し、風船のような圧力を作ります。

またこの風船の中に『丹田(たんでん)』と呼ばれる部位はあると推察されます。

胸腰筋膜

また腹圧を形成する上で、欠かせないものが胸腰(きょうよう)筋膜です。

背中の真ん中にある大きな筋膜で、体幹の深い筋肉(インナーマッスル)を覆い、広背筋や大殿筋など(アウターマッスル)まで背中の広い範囲の筋肉をつないでいます。

胸腰筋膜


上の図はお腹の断面図ですが、青丸で囲まれたところは胸腰筋膜で覆われています。

胸腰筋膜は、脊柱起立筋(背すじを伸ばす筋肉、多裂筋を含む)などを覆いながら、腹筋群の付け根とつながっています。

背すじを伸ばす筋肉がしっかりと働かなければ、腹筋群も安定して働かず、腹圧(コア)が形成できないことが分かります。

コアの働き方

コアは固める様に働くものではありません。

いろんな形に変化します。


姿勢の変化に合わせて形を変化させ、柔軟にコントロールするように働きます。


その為には、バランス良く、全てのコア筋群が働かなくてはなりません。

自由で優雅なダンス

抗重力位でコアは働く

人間の骨格では背中には胸郭と骨盤の間に背骨がありますが、お腹には骨がありません。

その為、抗重力位(立っているか、座っている姿勢)では力を抜くだけで、お腹は重力でつぶれる様に狭くなります。


コア筋群はお腹がつぶれないように内臓を抑えて、風船のような圧力を作ります。
体幹が伸びた状態をキープするように働きます。

円背姿勢・反り腰では、コアは働きにくい

猫背や高齢者の円背姿勢など、お腹がつぶれた状態で生活していると、緩んだ状態の腹筋群は力を発揮できず萎縮していき、コアは衰えていきます。

しかし過度な反り腰の姿勢も良くありません。腹圧が上下に別れ二分化してしまい、力を入れるのに不利な姿勢となります。

腰は力を抜くと猫背・円背になり、力んで伸ばすと反り腰になりやすいです。

力を抜きすぎず、力みすぎず、バランス良く背すじが伸びた姿勢がコアの働きやすい姿勢と言えます。

衰えやすく、鍛えやすい

病院では、ベッドで寝たきりの生活を余儀なく過ごす方が多くいます。

また高齢者で、体力低下から臥床時間が増え、寝たきりに近づいて行ってしまう人がいます。

そういった起き上がる機会が少ない生活では、真っ先に衰えるのがコア筋群といえます。


しかしリハビリで離床を開始すると、急速に回復していくのもコア筋群です。

生後間もない子馬

生まれたての子馬は30分もしないうちに立ち上がり、走り回れるようになりますが、急速に筋肉がついているわけではありません。

生まれたての子馬は、力の入れ方を短時間で学んでいきます。

コアの回復もこれに似ています。
抗重力位で身体を動かしていく中で、力の入れ方を思い出していくのです。

入院中に離床を開始したばかりで、力が入りにくい患者さんは、コアの改善から手足の筋力も戻ってきて、立ったり歩いたり、ADL(日常生活動作)の改善につながる方も多いと考えます。

具体的なトレーニング方法

具体的なトレーニング方法としては数多くあるのですが、3つほど紹介していきます。

座ったまま骨盤を動かす

座ったまま左右前後に骨盤を動かし、重心移動とお腹の姿勢変化が起こる運動をします。
無理をせずできる範囲から少しづつ動かしていきます。
前後、左右に5往復ずつ程度

行きにくい方向にも、回数を重ねるうちにだんだんと力が入り、重心移動ができる様になってくるのではないでしょうか。 
床に接地しているお尻の面も移り変わっていきますが、これも腹圧の状態に変化を与えます。

踵に体重を乗せて運動する

踵重心で屈伸

踵に体重を乗せて、踵の上で重心を上下させるように屈伸をおこないます。
踵に体重を乗せて立つと、腹圧の機構は床に対して垂直に乗り、前後・左右にバランスをとるような働きをします 
※両手は手すりや台などに掴まった方が良いです。(1セット10回~20回

バランスをとるアシカ

コアと下半身の関係は、上の写真のボールとアシカの関係に似てます。
アシカが垂直に押し上げているので、ボールは前後左右に動く余地が生まれています。

踵に体重を乗せることの重要性は別記事で紹介しています。

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全身運動

全身運動では、コアは必ず働いていると言って良いと思います。

テレビ体操

座って行う方法も伝えていたり、リスク面も配慮したとても良い内容だと思います。

フラダンス

若い方におススメです。
骨盤帯・体幹の姿勢が激しく変化するようなもので、コアの活動を促し健康体を維持する事につながります。

バランスボール

上に乗って座面をコントロールするバランス訓練は、コアを鍛える上で有用でしょう。

太極拳

高齢者ではゆっくり動くものであれば出来るかもしれません。
パーキンソン病にも良いとされています。

日常生活が重要

まず起き上がる

重力に逆らうという中で必然的にコア筋群は働きます。
座っている、立っているだけで、それは重要なリハビリです。

物に手を伸ばす

リーチ動作も、基本的には重心移動と体幹の伸展が伴い、コアが働きます。

歩く

歩くことは、最も継続しやすい全身運動と言って良いでしょう。
神経的にも人間には歩行中枢というものがあり、無意識的にも出来てしまう運動です。
歩ける方は適度に歩きましょう。
家の中でトイレに行くだけでも良い運動になります。
支持物にしっかり掴まって、転倒しないよう注意しましょう。


コアは全身の力の源、運動の土台であるだけでなく、生活上の活動力の源とも言えると思います。
昔の人は、それを『丹田(たんでん)』と呼んだのではないでしょうか。

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