【脳卒中片麻痺】機能向上に良い理想的な掴み方

上肢

こんにちは。
作業療法士のブログ、ふじいろブログです。

今回の記事は、片麻痺の人で麻痺側の手で物を掴める人、もしくは掴もうと試みる人に向けた内容です。

また手のリハビリに携わる方にも読んで頂けたら、大変嬉しく思います。

基本的に片麻痺の人が生活の中で麻痺側の手をどんどん使って行くことは、機能向上にとって良いことです。

しかし皆さんは「より良く麻痺手が動く方法が知りたい」「細かい動きを改善したい」と思っていらっしゃると思います。

今回は『機能向上に良い理想的な掴み方』について、お伝えしていきます。

片麻痺の人の自主トレの参考にもなれば幸いです。

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片麻痺の人の握り方

多くの片麻痺の人は、麻痺手の掴み方が橈側摘まみ・橈側握りになってしまいます。

橈側握り

この掴み方は片麻痺の人が「がむしゃらにでも、物を掴まなくては行けない」と力んで行った結果として起こります。

また痙性(麻痺手が強張って硬くなる現象)の影響とも言えます。

橈側摘まみ・橈側握りでは、指先の繊細な動きや強い力の発揮は難しいです。

また手を伸ばした姿勢は、肩が外に開いて肘が曲がり、腕は前に伸びずらい状態になります。

良い掴み方

では良い掴み方とはどういうものでしょうか?

それは手のひら全体が物体に向かって行く掴み方です。

手のひらには1,7000個という、人体で最も多くの感覚受容器(感覚を感じる所)があると言われます。

それらが物体に向かう様に掴む事で、手は繊細に感じとり、適度な力加減で物体をコントロールする事ができます。

橈側握りでは、親指と人差し指の間で横に挟む様な握り方になる為、小指側は物体から離れやすく、手のひらの感覚受容器は働きにくい状態になってしまいます。

手を伸ばしていく時は、肩の力を抜いて、肘も力まないようにして、手のひらが目標に飛んでいく様なイメージが良いです。

手のひらが目標に飛んでいくイメージでリーチする

もし上手く行けば、肘がしっかりと伸びて、全身の姿勢にとっても良い動作になります。

片麻痺の方
片麻痺の方

手のひらを向ける様に動かせと言われても、思うように動かないよ。

そう思う方が多いと思います。

全くその通りで、多くの方にとっては、これを達成する為にはリハビリ士の手添えや、もしくはそれに匹敵する工夫が必要です。

比較的麻痺が軽度の方であれば、工夫の一つとして、プラスチック製のコップやペットボトルなどをテーブルに置いて、手が少しテーブルに接触した状態を保ちながら、テーブルの上を滑らせるように手を伸ばして取りにいく練習方法があります。

テーブルの上を滑らせるようなリーチ

もしくは肘の下に枕など、肘の高さが丁度良くなるような支えがあれば、上手く手のひらを向けていく動作ができるかもしれません。

肘の下に枕などを置いて、肘の高さを調節する。

人間は柔らかい所で物体を識別する。

人間は手のひらや口の中などの、柔軟に変形できる所の感覚を通して、物体の形状を識別します。

口の中では舌を柔らかく動かす事で食べ物を識別します。

人間の手では掌(てのひら)が重要です。
人差し指~小指と手のひらが柔軟に変化し物体を感じ取ります。

その為、親指の役割も重要です。
親指が4本の指に向かい合う事でコントロールします。

洗練されると機能的な持ち方に繋がっていく

成人した人間は、手のひらがピタッと密着する形で物を持つことは少ないです。

筒状握り

図の筒状握りのように少し手のひらから浮いて、指先で持つような形が多いと思います。

しかし、この筒状握りも手のひら全体が向かった姿勢であり、物体をしっかりと感覚受容器で感じ取り、コントロールする事ができる掴み方なのです。

それに対して、橈側摘まみは手のひらに物体がかみ合わず、物体を感じる事もコントロールする事も不利な状態と言えます。

手のひらから向かう掴み方を練習することで、洗練された持ち方に繋がっていきます。

手首の背屈(反る姿勢)をしすぎない

掴む動作練習のポイントをもう一つお伝えします。

一般的に手を使用する時の手の形はやや手首が背屈した姿勢が良いと言われています。

しかし、運動麻痺で観られる橈側掴みでは、手首は橈屈・背屈の姿勢です。

つまり、背屈し過ぎると橈側掴みの姿勢になってしまいます。

握る直前の瞬間、手は掌屈する

手が向かっていく間は、手のひらを物体に向ける為に手はやや背屈しますが、物体を掴む直前の瞬間では、むしろ手は掌屈(おいでをする方向)に運動が起こると良いです。そして握っていきます

進化と手

人間は猿から進化しました。

手のひらは横に広がり親指は他の4指に対立するようになりました。

そして人差し指~小指とその付け根と手のひらは、握ったものの形状に合わせ自在に変化するようになりました。

人間の手は進化の過程の中で、頑丈さが低下した事と引き換えに、柔軟性があり繊細で器用な能力を手に入れてたのです。

他の動物にはない手の鋭敏さや巧みさは、道具操作、ものづくり等に繋がり、人間の文明を飛躍的に発展させました。

道具を持つオランウータン

脳の広い領域は、手のひらの働きと関連があります。

手のひらが向かい感覚受容器が働くことは、脳機能を大きく変える可能性を秘めています。

身体全身のイメージを変え、生活上の動作も良い方向に変えていくかもしれません。

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