【片麻痺】道具を使った手のリハビリの有用性

上肢

こんにちは。
作業療法士のブログ、ふじいろブログです。


作業療法では、手のリハビリで良く道具を使います。


手の運動麻痺の回復の為に、ただ手を動かすだけでなく、なぜ道具を使うのでしょうか?


今回はリハビリにおいて、道具を使うと手の回復に良いという理由についてお伝えします。

もし読み進めて「良い内容だ」と思ったら、SNSで高評価やフォロー、シェアをして頂けたら大変うれしいです。⇓⇓⇓⇓⇓

スポンサーリンク
SNSでのフォローをお願いします!
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
今後もリハビリテーションについての情報発信を行っていきますので、ふじいろブログをよろしくお願いします。
SNSフォローボタン
フォロー、高評価をお願いします!

ダイナミックタッチ

棒を持つ女の子

道具を使うと手の回復に良いという理由をお伝えします。

リハビリの用語の中で、ダイナミックタッチという言葉があります。

別名、魔法の杖現象とも呼ばれます。


これは「人間は棒を持って振ると、目をつぶっていても、その棒の長さや形状が感覚的にわかる」という現象のことです。


また「棒の先を感じることができる」という事でもあります。


例えば、食事の際に箸の先を感じたり、鉛筆で書く時は鉛筆の先端を感じることができると思います。


脳の後方の頭頂葉に位置する頭頂連合野では、手だけが動くよりも、棒を使った方が神経活動が起こる領域が広がると言います。
脳内では棒の先端までを身体の一部・身体の延長ととらえて、情報処理をしています。


ただ手を動かすだけでは働かない脳細胞を、道具を使う事によって働かすことができるのです。


いろいろな道具を使うことは、いろいろな神経の使い方、手の動き方に出会うことと言えます。


また馴染みのある道具というものがあれば、それは働きを失った神経を呼び覚ます可能性を多く秘めている物と言えるでしょう。

宮本武蔵の指南

人間は棒を振るとき、

棒に触れている手のひらの感覚受容器
肘、肩などの関節にある位置や重量の変化を感じ取る感覚受容器
体幹など全身の感覚

などの情報を脳が統合することによって、棒の長さや形状、棒の先を知覚しています。

しかしそんなことは意識せず、人は道具を使います。

巌流島

剣豪の宮本武蔵を題材にした、某有名マンガでは、宮本武蔵が村人たちに剣術を教える場面で、「手は無いと思って、剣を振って下さい。」と教える場面があります。

それを言われた村人たちは困惑しますが、まさに宮本武蔵はダイナミックタッチの話をしていたのでしょう。


剣先を感じるためには、手は無いと思って振るのです。

道具を使ったリハビリのコツ

たくさんの道具

道具を使う事が良いと言っても、闇雲に何でもやれば良いというものではありません。

手の回復のためには、いくつか考慮しなくてはならない事があります。

1.道具の先を感じる

意識することは、道具を動かそうとする事や、力を入れることではありません。
道具の先や、重さ、道具の重心などを感じる事が重要です。


またその道具の用途において重要な感覚に意識をフォーカスする必要があります。


ハサミであれば、刃が重なり、紙が切れる部分です。
掃除機であれば、先端の吸い込み口でしょうか。

2.身体の非対称を強めない

肩の力が入ったまま道具を使うと、やるほどに力が入り、全身的な身体の捻じりが増していきます。

身体が捻じれて左右非対称の姿勢が強まると、バランスも悪くなってくるでしょう。


道具を持つ麻痺手も痙性を強め、曲がってきます。


非麻痺側の手も突っ張るような力が入りやすいと思いますが、これも身体の非対称につながりますので力を抜きます。


また基本的に肘や肩などが整った姿勢で、適度な力の入り方で行わないと、道具の先を感じる事が困難になるでしょう。


道具の扱いにくさ、課題の難易度が高くても姿勢は捻じれてきます。
まずは扱いやすい道具から使用していく事が望ましいでしょう。

3.リラックスする

イライラしたり、焦ったりすると力が入り身体が捻じれてきます。

適度に休憩を挟んだり、肩や首を回したり、ストレッチをしましょう。


精神的にもリラックスを保ちます。

リラックスした姿勢で、動作が滑らかになってくる、もしくは持続出来るのであれば、それは良い動作であると言えます。

ダイナミックタッチの応用

例えば脊髄損傷の方では、下半身の感覚が全くないという場合もありますが、その上の随意性・感覚のある部分を動かす事で、ダイナミックタッチにより下半身を捉え、身体の姿勢を自由に変えることができる事があります。

また我々は水分補給した後、ペットボトルをテーブルに置く時、ペットボトルの底をダイナミックタッチにより知覚しているから、上手く置けるのでしょう。


リハビリ士の場合は、身体の中を透かして見ることはできませんが、例えば肩関節を動かしている時、患者さんの肩関節の中で、上腕骨頭がクルクル動くのを感じる事が出来たりします。

リハビリの技の中でも、ダイナミックタッチを利用しているのです。


我々人間にとって体験・学びの多くはダイナミックタッチであり、またダイナミックタッチは身体の回復のための可能性を秘めています。

参考文献:

疾患別作業療法における上肢機能アプローチ [ 山本伸一 ]

コメント